どんな職場で働ける?

どんな職場で働ける?――ビル、工場、発電所、データセンター…選択肢の幅広さ(

電気主任技術者という資格の大きな魅力のひとつに、「働けるフィールドの広さ」が挙げられます。電気はあらゆる産業の基盤であり、どんな建物・施設でも確実に電気設備が存在します。そのため、資格取得後に選べる業界や職場の種類が非常に幅広く、自分の希望する働き方に合わせて職場を選べる点が人気の理由です。
 まず、最もイメージしやすいのは ビル設備管理(ビルメンテナンス) です。オフィスビル、商業施設、ホテル、病院など大型建物には、高圧受変電設備が必ず設置されており、電気主任技術者が必要になります。ビル管理の仕事は、比較的落ち着いた職場が多く、安定した業務スタイルを望む人に向いています。日勤中心で残業が少ない会社も多く、経験を積みつつワークライフバランスが取りやすいことも魅力です。


 次に人気が高いのが 工場・製造業の設備管理 です。工場には多くの機械が並び、常に大量の電力が必要です。電気トラブルが発生すれば生産ラインが止まってしまうため、電気主任技術者の役割は非常に重要です。工場勤務はビル管理に比べて専門性が高く、年収も高めの傾向があります。設備更新が頻繁に行われるため、最新の技術に触れる機会も多く、「技術者として成長したい」という人から支持されています。


 近年特に需要が伸びているのが データセンター(DC) です。クラウドやAIの普及により、データセンターは急速に増えています。これらの施設では“電気が止まる=サービス停止”につながるため、24時間365日の安定運用が必須です。UPS(無停電電源装置)、非常用発電機、冗長化された受電設備など、高信頼性設備を扱うため、電気主任技術者の専門性が大きく発揮されます。給与も比較的高水準であり、キャリア志向の技術者に人気のフィールドです。


 さらに、 再生可能エネルギー発電所(太陽光・風力) でも電気主任技術者のニーズは拡大しています。特に太陽光発電所では、一定規模以上の設備には必ず電気主任技術者による保安管理が必要です。全国に数多く存在するため“地域に縛られない働き方”が可能で、保安法人に所属したり、独立して複数の発電所を担当する技術者も多くいます。風力発電所は設備規模が大きく、電験二種以上が求められやすいものの、電験三種でも十分活躍できる現場が増えています。


 そのほかにも、電気主任技術者が活躍できる分野は実に多彩です。
・鉄道会社の電力設備
・空港の受変電設備
・大学や研究施設
・電力会社・変電所の保守
・フィールドエンジニア(メーカーの技術員)


 例えば鉄道や空港などの公共インフラでは、強い責任感と専門知識が求められますが、その分やりがいと安定性が抜群です。また、電気機器メーカーでフィールドエンジニアとして働くと、全国の工場や発電所を訪れ、設備の点検やメンテナンスを行う仕事に携わることができます。移動が多い分、技術者として幅広い経験を積めるのが魅力です。


 さらに大きなポイントとして、「どの業界も人手不足」という現実があります。電気主任技術者は特定の業界に偏らず、全国のあらゆる施設で必要とされるため、転職先に困ることがほぼありません。都市部はもちろん、地方でもニーズが高く、「家の近くで働きたい」「Uターン・Iターンしたい」という希望にも応えやすい資格です。


電 気主任技術者は、ビル・工場・データセンター・再エネ発電所など、働く場所によって仕事内容も雰囲気も大きく変わります。そのため、自分のライフスタイル、興味、キャリア志向に合わせて働き方を選べる“自由度の高い職”と言えるでしょう。電験三種を取得すると、これら多彩な選択肢が一気に開け、キャリアの可能性が大きく広がります。